「フランスの高校生が学んでいる10人の哲学者」、の概要と読んだ感想です。この本は、アリストテレスやニーチェなど、フランスの高校生が学ぶ哲学者10人を、それぞれ個別に紹介しています。教養として最低限、哲学の知識をつけたい方にオススメです。読もうか迷っている方、読んだ感想を共有したい方、などいましたら、ぜひご覧ください!
フランスの高校生が学んでいる10人の哲学者 [ シャルル・ペパン ] 価格:1,650円 |
●目次
・本の概要
・哲学者まとめ(10人個別に!)
・個人的感想
●本の概要
この本では、年代順に有名な10人の哲学者が紹介されています。年代の古いほうから順に、1.プラトン、2.アリストテレス、3.デカルト、4.スピノザ、5.カント、6.ヘーゲル、7.キルケゴール、8.ニーチェ、9.フロイト、10.サルトル、です。名前や名言だけは知っていても、どの時代に生きて、どんな業績を残したのか、ふつうは知らないですよね。(私もそうでした。)
この本を読むことで、上記の哲学者たちが、何を成してきたのかが分かります! とはいっても、難しいことはなく、とても読みやすい文章になっていますので、ご安心ください。(分量も1人当たり20ページ弱。通勤時等、すきま時間に読めてしまいます。)それでは以下、哲学者ひとりひとりの概要を、簡単に紹介します。
●哲学者まとめ
1.プラトン(紀元前400年ごろ)
古代ギリシャ出身。いわゆる理想主義者。私たちが生きている地上の世界とは別に、「イデア(=理想)の天界」があるとし、一部の人間だけがこのイデアの天界にたどり着けると説いた。
2.アリストテレス(紀元前350年ごろ)
プラトンの弟子。だが、プラトンに反し、現実主義者。イデアの天界の存在を否定する。天界を目指すのではなく、自分たちの生きる地上の世界を、よく観察せよと説いた。科学者みたいな人。
3.デカルト(1596~1650)
フランスの哲学者。思考の実験を究めた人。あらゆるものを徹底的に疑う。「世界は本当に存在するのか?」など。有名な「われ思う、ゆえにわれあり」という言葉は、全てのことを疑った時、最後に残る確実なものは、「疑い続けている自分自身」であることから生まれた。また、神の存在証明をした。
4.スピノザ(1632~1677)
オランダ人。幻想批判者。人の自由意思も、原因の分からない行動(結果)を、自分の意志によるものだと勘違いしているに過ぎないとして、否定した。また、神さえも、人が作り出した幻想だとして、否定した。その代わり、神を「自然」もしくは、私たち全てが属する「森羅万象」であるとして、再定義した。
5.カント(1724~1804)
ドイツの哲学者。著書「純粋理性批判」にて、人間は人間としての能力(科学的知識)の範囲内でしか、世界を知ることはできないと述べた。そして、「神は人間の知ることのできる範疇にはない」とし、「神は感じるものであって、証明するものではない」と考えた。なお晩年は、フランス革命の暴力性に反感を抱き、何よりも秩序を守るべきだと主張した。
6.ヘーゲル(1770~1831)
ドイツの哲学者。歴史を、芸術、政治などすべての分野で、真理が段階的に進化していく過程としてとらえた。そして、ヘーゲル自身は、自分の生きている時代は既に、その真理が高みに到達した地点、つまりは歴史の終わりだと考えていた。
7.キルケゴール(1813~1855)
デンマークの哲学者。反哲学的哲学者。理解不能なもの、まさに神秘こそが、本質に近いものだとした。ヘーゲルは神秘を、思春期に見られる典型的ロマンティシズムでしかなく、曖昧な感情でしかないと考えていたので、キルケゴールは彼と対立する。
8.ニーチェ(1844~1900)
ドイツの哲学者。アイデンティティという概念を徹底批判。人に確固たる核のようなものはなく、肉体では常に様々な本能が動いているとした。いくつもの顔を持ち、詩人や預言者としての面も持ち合わせる。
9.フロイト(1856~1939)
オーストリアの精神分析医。能動的無意識を発見。人間は、文明社会で欲動が抑圧されており、その反動で、無意識のエネルギーであるリビドーが存在すると説いた。
10.サルトル(1905~1980)
フランスの哲学者。人間は神が書いた筋書き通りの運命しか選べないという、決定論を否定し、「完全な自由」を主張した。
●個人的感想
有名な哲学者たちの基本を知れるだけでなく、自分の生き方を見つめなおし、癒しを得られる本でした。この本には、各哲学者から、それぞれの哲学に沿ったアドバイスが紹介されています。例えば、アリストテレスからは「いつも極端すぎるあなたに」との題で。10人の哲学者からそれぞれ、「~な人に」と書かれているので、どれかには自分が当てはまると思います。
その哲学者からのアドバイスに自分は励まされました。やっぱり哲学って必要ですね。自分の抱えている苦しみや悩みに対し、一筋の光を見出してくれます。ちなみに、フランスでは哲学が受験科目に入っていて、この本の原著はいわゆる受験参考書みたいです。日本も哲学について、勉強すべき。そしたら、日本人の考え方・生き方が、今より豊かになるかもしれません。
それでは、以上でこの本の紹介を終わります。気になった方は、是非ご一読ください!最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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