「Invent & Wander ジェフ・ベゾス Collected Writings(ウォルター・アイザックソン 序文、関美和 訳」を読みました。その概要と感想を記しましたので、この本を読んで見ようか迷っている方、ジェフ・ベゾスやAmazonに興味のある方に、読んでいただけたら嬉しいです。(もちろん、それ以外の方も歓迎です!)
Invent & Wander ジェフ・ベゾス Collected Writings [ ジェフ・ベゾス ] 価格:1,980円 |
●この本は、こんな方にオススメ!
✓ Amazonの歴史を知りたい方
✓ ジェフ・ベゾスの生い立ちを知りたい方
✓ ジェフ・ベゾスの考え方を学びたい方
●本の概要
この本は、これまで世に出された、ジェフ・ベゾスの言葉と考えをまとめ、収録したものです。中身は以下の3部構成になっています。
・INTRODUCTION ウォルター・アイザックソン
・PART 1 株主への手紙
・PART 2 人生と仕事
私も読みやすいように、この3つに分けて概要と感想を書きましたので、ぜひご覧ください。
●INTRODUCTION ウォルター・アイザックソン
まずは、ウォルター・アイザックソンの書いたIntroduction(導入)から、この本はスタートします。ウォルター・アイザックソンは、アメリカでジャーナリストや伝記作家をされている方で、主な著書に「レヴォナルド・ダ・ヴィンチ」、「スティーブ・ジョブズ」などがあります。その彼が、ジェフ・ベゾスを、ダ・ヴィンチやジョブズに並ぶ真のイノベーターと評し、ベゾスの半生を書いています。
ベゾスの半生のなかで、印象に残ったエピソードを1つ紹介します。
それは、大学時代に物理学者への道を諦めたエピソード。ベゾスは物理学を学ぼうと名門プリンストン大学に入りますが、学友の計算力に驚愕し、その瞬間「自分は偉大な物理学者にはなれない」と悟ります。そしてすぐに専攻を、電気工学とコンピュータサイエンスに変えたのです。
私はこのエピソードで、ベゾス程の天才にも挫折があるという事実と、彼の切り替えの早さが、印象に残りました。プリンストン大学に入るほどの天才であった彼が、自分よりもすごい超天才を目にして、今までの夢を諦め、即座に違う道に切り替えたというのは、中々できないことだと思いました。普通は、それでも物理学を諦めきれず続けるか、失望して勉学に身が入らなくなるかの、どちらかです。でも、彼は残酷にも、自分の能力を受け入れ、諦め、そして別の道に希望を見出した。この選択・判断ができるところが、経営者に向いているのかなと思いました。
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●PART 1 株主への手紙
この章では、ベゾスが毎年株主に向けて書いている手紙、1997年~2019年分が載っています(もちろん、日本語訳で(笑))。ちなみに、集めただけで200ページを超える大作。株主宛の手紙なので、基本的にはその年のアマゾンの売上や、新しいサービスが紹介されており、この章を年月に沿って読むだけで、アマゾンの歴史・変遷が分かります。私は、GAFAの一角として認知する以前、1990年代後半から2000年代のアマゾンの姿についてよく知らなかったので、興味深く読めました。超巨大企業が、生まれたて時はどんな感じだったのか、皆さんも興味ありませんか?
また、この手紙には、ベゾス自身の考えも書かれています。様々な事象が書かれていますが、一言でいうと、ベゾスが「何を大切にして、アマゾンを経営しているのか」ということでしょうか。ベゾス的には、その内容を株主にも理解して、応援してほしいのだと思います。
この手紙の中で、ベゾスが繰り返し用いている言葉があります。それは「長期がすべて」と「フリーキャッシュフロー優先」というフレーズです。
株主に向けてベゾスは、アマゾンは短期投資やウォール街の評価にとらわれず、長期的な視点でビジネスを行うと述べています。アマゾンは配送料無料など顧客第一主義で有名ですが、こういったサービスを実施できるのは、短期的には利益が下がっても、顧客の満足度を上げることができれば、長期的には得になると確信しているからなんですね。
また、ベゾスは、1株当たりのフリーキャッシュフローを、最も大切な財務指標に挙げています。キャッシュとは、いわば現金。自由に使える現金を、どれだけ生み出しているかが重要ということです。その理由については。。。ぜひ本書を読んで見てください(笑)(すみません、何か経済の講義みたいに長くなるので割愛しました)。
●PART 2 人生と仕事
PART 2は、ベゾスのインタビューや、講演の原稿を集めた章です。内容は、これまでのIntroductionや、PART 1の内容と重なる部分も多いですが、新しい情報も含まれています。
この章で印象に残ったのは、ベゾスの宇宙事業に対する考え。ベゾスは、宇宙ロケットのブルーオリジンという会社を作りましたが、その理由が語られています。ちなみに彼は、このブルーオリジンを最も重要な事業と語っており、Amazonよりも大事に考えているのかも。ベゾスは既に、AmazonのCEOを退いていますもんね。
●まとめ
以上、本の簡単な概要と感想でした。興味がある方は、ぜひ読んで見てください! 最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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